波動でつまずく原因のほとんどは、y-xグラフとy-tグラフの取り違えと 位相のπずれの見落としの2つに集約される。 公式そのものは少なく、v = fλ と 干渉の条件を軸にすれば、あとは枝葉。
1 グラフを見たらまず横軸のラベルを声に出す。x なら「波の写真」、t なら「1点の日記」。
2 干渉は必ず経路差を出してから条件式に入れる。いきなり公式に数値を入れない。
3 反射があったら位相がπずれるかどうかを先に判定する。ここで明暗が入れ替わる。
波とは「振動が伝わる現象」であって、物が移動するわけではない。 媒質の各点はその場で振動するだけ。この一点を図で納得しておくと、あとの単元が全部軽くなる。
緑の点は媒質の各部分。どの点も左右には動かず、その場で上下しているだけ。 赤い点に注目すると、その1点の動きが下の y-t グラフになる。 上のグラフから読めるのは波長 λ、下のグラフから読めるのは周期 T ── ここを取り違えない。
| y-x グラフ | y-t グラフ | |
|---|---|---|
| 横軸 | 位置 x | 時刻 t |
| 何を表すか | ある瞬間の波全体の形(写真) | ある1点の時間変化(日記) |
| 読み取れる量 | 波長 λ・振幅 | 周期 T・振幅 |
| 波の進む向き | 問題文か、少し先の波形で判断 | 直接は読めない |
y-xグラフで、ある点の媒質が次の瞬間どちらへ動くかを聞かれたら、 波形をわずかに進行方向へずらして、その点の高さがどう変わるかを見る。上がるなら上向き、下がるなら下向き。 「波の進む向き」と「媒質が動く向き」はまったく別物。
2つの波が出会っても、ぶつかって壊れたりしない。ただ高さを足すだけで、通り過ぎたら元の形に戻る。 足した結果、進まなくなった波が定常波。
青と赤は実際には別々に進んでいる2つの波。私たちが目にするのは黒い合成波だけ。 黒い線は左右に進まず、その場で大きくなったり小さくなったりする。 まったく動かない点が節(●)、いちばん激しく動く点が腹(○)。
弦も気柱も、やることは同じ。両端の条件(節か腹か)を決めて、定常波の絵を描き、λ を L で表す。 そのあと f = v/λ に入れるだけ。
| 両端の条件 | 基本振動の波長 | 出る倍音 | |
|---|---|---|---|
| 弦(両端固定) | 両端とも節 | λ = 2L | すべての整数倍 |
| 開管(両端が開いた管) | 両端とも腹 | λ = 2L | すべての整数倍 |
| 閉管(片方が閉じた管) | 閉じた側が節、開いた側が腹 | λ = 4L | 奇数倍のみ |
閉じた端は空気が動けないので節、開いた端は自由に動けるので腹。 閉管では基本振動の波長が管の長さの4倍になり、次の共鳴は3倍振動(偶数倍は出ない)。 開管はすべての整数倍が出る。
音1は 440 Hz に固定。2つの差が大きいほど、うなりが速くなる。
差が0になれば音量の変化は消える ── これが「音が合った」状態で、楽器の調律はこれを聞いている。
(波の形は見やすくするため、実際よりずっと少ない振動回数で描いている)
救急車が近づくと高く、遠ざかると低く聞こえる。原因は波面の間隔が詰まる/広がること。 公式の符号は覚えるものではなく、向きを決めれば自動的に決まる。
音源(赤)は一定の間隔で音を出し続けている。出た瞬間の位置を中心に、波面が広がる。 音源が右へ動くと、右側では波面が追いつかれて間隔が詰まり(=波長が短く=高い音)、 左側では間隔が広がる(=低い音)。音源の速度を負にすると左右が入れ替わる。
①反射板:壁を「いったん観測者、次に音源」として2段階で使う。壁が止まっていれば、聞こえた振動数をそのまま出し直す。
②斜めに動く:音源と観測者を結ぶ方向の速度成分だけが効く。真横を通過する瞬間は成分0なので、そのときだけ f′ = f。
③風がある:音速が「V + 風速」(風下向き)に変わると考える。音源や観測者の速度は変えない。
境界で波が曲がるのは、媒質によって速さが変わるから。速い媒質ほど波長が長い。 振動数だけはどこでも変わらない ── これが屈折のすべての土台。
屈折率の大きい媒質へ入るときは、法線に近づく(曲がって立つ)。逆に出るときは法線から遠ざかる。
全反射が起きるのは、屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ進むときだけ。
入射角を大きくしていくと屈折角が 90° に達し、それを超えると光は境界を出られなくなる。光ファイバーの原理。
レンズは3本の光線を引けば像の位置が決まる。式は1本だけ。 面倒なのは符号だが、「実物・実像は正、虚像は負」と決めておけば迷わない。
a > 2f → 小さい倒立実像。a = 2f → 同じ大きさの倒立実像。f < a < 2f → 大きい倒立実像。
a < f になると光は集まらず、拡大された正立虚像が物体と同じ側に見える(これが虫めがね)。
干渉の問題は「経路差を出す」→「λ の何倍かを見る」の2手で終わる。 公式を覚えるのではなく、どことどこの道のりの差かを毎回図で確かめる。
2つのスリットから同じ波が広がり、重なったところで強め合ったり弱め合ったりする。 スリットを近づける(d を小さくする)と縞の間隔は広がり、 波長を長くする(赤い光にする)と縞の間隔も広がる。中央(経路差0)は必ず明線。
ここだけは反射のときの位相のπずれを数えないと答えが逆になる。 ルールは1つ、「屈折率の小さい側から大きい側へ入って反射するとき、位相がπずれる」。
垂直に近い入射なら光路差は 2nd。 「πずれる反射」が片方だけなら、明暗の条件が入れ替わる。両方ずれる(または両方ずれない)なら、ふつうの条件のまま。 ここを数え間違えると、答えがちょうど反対になる。
| 状況 | 光路差 | πずれ | 明線の条件 |
|---|---|---|---|
| 薄膜(空気→膜→空気) | 2nd | 片方だけ | 2nd = (m + 1/2)λ |
| くさび形の空気層 | 2d | 片方だけ(下のガラス面) | 2d = (m + 1/2)λ |
| ニュートンリング(反射光) | 2d | 片方だけ | 2d = (m + 1/2)λ 中心は暗 |
くさび形もニュートンリングも、接触している端(d = 0)は必ず「暗」になる。 自分の立てた式に d = 0 を入れて暗条件になるか確かめれば、πずれの数え方が合っていたかがわかる。