力学に次ぐ重量級で、配点も力学に匹敵する。 つまずく原因はほぼ1つ、見えないものを頭の中だけで処理しようとすること。 電場の向き、電流の向き、誘導起電力の向き ── すべて紙に矢印を描いてから式に入る。それだけで正答率が変わる。
1 向きを図に描いてから式を書く。電場・電流・磁場・力は全部ベクトル。頭の中で回さない。
2 「何が一定か」を最初に決める。コンデンサーはスイッチが閉じていれば電圧一定、開いていれば電荷一定。ここで全部決まる。
3 力学の言葉に翻訳する。電場=重力加速度、電位=高さ、電位差×電荷=仕事。力学で解けた形に持ち込む。
電場とは「そこに +1 C を置いたら、どちら向きにどれだけの力を受けるか」を表した地形図のようなもの。 電荷がなくても空間に存在している、と考えるのがコツ。
同符号にすると矢印が反発するように広がり、異符号にすると片方からもう片方へ流れ込む。 矢印が密なところが電場の強いところ。中点の矢印に注目すると、 「同符号なら打ち消し合ってゼロ」「異符号なら足し合わさって最大」がはっきり見える。
電位は電気の世界の「高さ」。正電荷は高いほうから低いほうへ落ちる。 電場がベクトルで面倒なのに対し、電位はスカラーなので符号つきで足すだけ ── 使えるところでは必ず電位を使う。
青い曲線が電位 V。赤い直線はその点の接線で、傾きの符号を変えたものが電場(E = −ΔV/Δx)。 坂が急なところほど電場が強い。両方を正にすると、真ん中に谷ではなく山ができる ── 正電荷は真ん中に置けない、が図で見える。
力を聞かれたら電場(ベクトル合成)、速さ・エネルギー・仕事を聞かれたら電位(スカラー計算)。 「電場が0の点」と「電位が0の点」は別の場所である、というのが定番の引っかけ。 +Qと−Qなら、中点は電場が最大で電位は0になる。
コンデンサー問題の勝負は「スイッチが閉じているか、開いているか」の一点。 閉じていれば電圧が一定、開いていれば電荷が一定。どちらが固定されるかを最初に書き込めば、あとは Q = CV だけ。
スイッチを閉じたまま d を広げる → V は 100 V のまま、C が減るので Q が減る(電池に電荷が戻る)。
スイッチを開いてから d を広げる → Q は動けないので一定、C が減るぶん V が上がる。
このとき E = Q/(εS) は変わらない ── 極板を引き離すのに仕事が要るので U は増える。
| 操作 | スイッチ閉(V一定) | スイッチ開(Q一定) |
|---|---|---|
| d を広げる | C↓ Q↓ E↓ U↓ | C↓ V↑ E そのまま U↑ |
| 誘電体を入れる | C↑ Q↑ E そのまま U↑ | C↑ V↓ E↓ U↓ |
| 面積 S を広げる | C↑ Q↑ E そのまま U↑ | C↑ V↓ E↓ U↓ |
回路は「同じ電流が流れるのはどこか」「同じ電圧がかかるのはどこか」を見分けるゲーム。 直列は電流が同じ、並列は電圧が同じ。この2行で合成抵抗も分圧も全部出る。
直列:粒(電流)は1本道なので、どこでも同じ数だけ流れる。電圧は抵抗の比で分かれる(大きい抵抗に大きい電圧)。
並列:分かれ道で粒が分かれる。電圧は同じで、電流は抵抗の逆比で分かれる(小さい抵抗にたくさん流れる)。
① 各枝に電流の文字と向きを勝手に決めて矢印を書く(間違っていても、答えが負になるだけ)
② 分岐点で第1法則を書く(未知数を1つ減らせる)
③ 閉じた経路を1周して第2法則を書く。電流の向きに進めば電位は下がる(−RI)、電池は −極→+極に進めば上がる(+E)
④ 未知数の数だけ式を作って連立
ここは手を使う単元。右ねじの法則とフレミング左手を、頭ではなく指で覚える。 試験中に机の下で手を動かしても減点はされない。
左:電流を大きくすると磁力線の輪が密になる(H = I/2πr)。向きを反転すると輪の回る向きも反転する。
右:電流の向きと磁場の向きの両方に垂直に力がはたらく。どちらかを反転すれば力も反転し、両方反転すれば力は元のまま。
×=紙面の奥へ向かう向き(矢の羽根を後ろから見た形)
・=紙面の手前へ出てくる向き(矢の先端を正面から見た形)
平行電流の力:同じ向きの電流どうしは引き合い、逆向きは反発する(磁石と逆なので注意)。
磁場の中を動く電荷は、進行方向と垂直に力を受ける。垂直ということは仕事をしない、 つまり速さは絶対に変わらない。だから軌道は円になる ── ここまでが1本の論理でつながる。
v を大きくすると円が大きくなり、B を大きくすると円が小さくなる(r = mv/qB)。 電荷の符号を変えると回る向きが反転する。どちらの場合も、赤い矢印(力)は常に円の中心を向いている。
レンツの法則は「変化を邪魔する向きに電流が流れる」の一言。 近づければ遠ざけようとし、遠ざければ引き止めようとする。天邪鬼だと思っておけば向きは間違えない。
棒を速く動かすほど起電力が大きくなり、電流も、邪魔をする力も大きくなる。 v を2倍にすると起電力は2倍、電流も2倍、力も2倍、発熱は4倍(I²R)。 そのぶん外力がする仕事も4倍になり、つじつまが合う。
① いま коイルを貫く磁束はどちら向きか
② それが増えているのか減っているのか
③ 増えているなら打ち消す向き、減っているなら補う向きの磁場をつくるように電流が流れる
③の磁場の向きから、右ねじで電流の向きを決める。
交流は「抵抗・コイル・コンデンサーで、電流と電圧のタイミングがどうずれるか」の話。 抵抗はぴったり同時、コイルは電流が遅れ、コンデンサーは電流が先に流れる。
抵抗:山と山がそろう(同位相)。コイル:電流の山があとから来る(π/2 遅れ)。 コンデンサー:電流の山が先に来る(π/2 進み)。 周波数を上げるとコイルは電流が小さくなり、コンデンサーは大きくなる ── これがリアクタンスの意味。